シロの曲考察-破落戸(巫泥)
シロです。破落戸のoff vocalが解禁されたので考察したものをここに記します。
まず、タグに#全夏中大祭2020とあるので、これは夏曲です。夏らしい言葉として火という部分に着目してみました。…少し無理やりですが。
まず、"其れに火を点けようぜ"にて一つ、火が登場。
つぎに、"自棄に知りたがる"にて一つ。やけに、とは本来この漢字で書かれません。しかし、自棄から来ています。また、自棄は焼けと同語源であり、火を意識させているように思います。
そして、"中指を立て"るという行為。これは炎上行為で、これもまた火に関しているかと思います。
以上のことから、火がこの曲の夏要素だと思います。考察には一切関係しません。
つぎに、歌詞を一部ずつ順番に見ていきます。
"正直者なら 馬鹿を見るけれど
馬鹿でもいいから 正直でいたい"
2度目の"馬鹿"は見ることについては言及していません。この2度目を「無意味なこと」という意味で読むと、
悪賢い者は得をして、正直者は帰って酷い間に合うけど、そんな無意味でも正直でいたい
と、読めます。
"不器用な身体 零か百じゃなきゃ 保てないならば
其れに火を 点けようぜ"
零か百は「全く無いか、たくさんあるか」と読み取りました。
火とは、激しい怒りでしょう。
保てないものは流れからして正直さだと推測できます。よって、
(得が)全く無いか、沢山あるかでないと正直であり続けられないならば激しく怒ろうぜ
と、読めます。
"無関係な奴が 自棄に知りたがる 胡桃の在処と
悪戯の理由
保身と云う名の 醜い争い 恩と仇ならば
紙一重だったからさ"
胡桃は、9月下旬〜10月上旬なので夏にはありません。また、胡桃の花言葉は「知性」です。無関係な奴はその在処を知りたがっているので、聞かれている側は胡桃を持っていません。胡桃がない=知性がない=馬鹿ということだと思います。
胡桃の在処に対しては保身と云う名の〜、悪戯の理由に対しては恩と仇ならば〜、と返しています。
云うは引用する形で使われる言うです。
紙一重は極めて僅かな違いです。
悪戯は普通正直ならしないことですが、紙一重という言葉で片付けています。これを読むと、
無関係な奴はやたらと知性がないと言い、悪戯の理由を聞きたがる。知性がないと貶すのは自分の立場を守るためだし、それを保身という言葉を引用して醜く争っている。正直でいたいのに悪戯をした理由を聞かれるが、恩と仇は極めて僅かに違うだけだからだ。
と、読めます。
"後先考えずに 食べて動けない バン バ バン バン"
食べるとは恩を受けるということでしょう。後先考えないというのは動けなくなることを考えないということで、動けなくなっています。恩を貰うだけだったので自分で動けなくなるのです。悪戯の理由の続きに感じられます。
後先考えず恩だけ受けても動かなくなるのだから仇も仕方なかった。
と読めますね。
"言葉巧みに誤魔化し 口車なんて 屁の童"
口車は口先だけの巧みな言い回しという意味で、言葉巧みを言い換えていると思います。言葉巧みは騙すという意味を含んでいて、誤魔化すも欺いて不正するという意味です。屁の童は簡単にやってのけるということです。
言葉を駆使して騙して不正をするくらい簡単だ。
と、読めます。
恩と仇が紙一重だ、あたりは言葉巧みに誤魔化していたので、この曲は自分が正直者でいたいと言っているのではなく、正直でいたいと言っている人に対して喧嘩を売っているように思えます。
"HA 高高9mm 鉄 の塊が 生を 終え るだけ の鋭さ
ばかり 「破落戸」 ばっかの世で 転がる不平
それならば 僕は 中指を 立てようか"
鉄の塊は銃弾でしょう。9mm弾は世界で最も普及している弾丸ですが、一般的に9mmパラメラム弾のことを指します。パラメラムはラテン語で「平和を望むなら戦いに備えよ」という意味を持ちます。
"だけ""ばかり""ばっか"は同じ意味です。
破落戸はわるものの意味です。正直とは相反します。
中指を立てる行為は、喧嘩を挑むということです。
ここから、
せいぜい9mmの弾丸は一つの命が終わる程度の鋭さだけだ。悪者しかいない世界で不満が全く珍しくもなく存在しているが、それなら僕は喧嘩を売る。
と、読めます。
この喧嘩を売っている先は正直でいたいと言っている人でしょう。パラメラムの意味から、平和を望んでいるからこそ喧嘩腰なのだと思います。弾丸に対してだけと言っているあたり本気の喧嘩ですね。
"正直者なら 馬鹿を見るけれど 馬鹿でもいいから
正直でいたい 馬鹿と鋏なら 使い様だけど
どちらが鋏か 試してはみたい"
馬鹿と鋏の馬鹿は、馬鹿でもいいからと言っている人でしょう。この時の鋏は立てた二本指を鋏に見立てていると思います。他に思い当たる節がありません。また、どちらが鋏かの鋏は凶器に近い意味合いだと思います。
正直でいたいと言う人も立てた中指も使い様だが、どちらの方が凶暴なのかは試してみたい。
と、読めます。
"高高弌秒 声 帯の動き 生 を 終え るだけ の
罪滅ぼし か 「破落戸」 ばっかの世で
群がるだけ それならば 僕は 中指を 立てようか"
生を終えるとあるので弌秒の声帯の動きは遺言でしょうか。パラメラムから、戦いで平和へと進展したのでしょう。罪滅ぼしは謝罪の言葉とかでしょう。
すると、
せいぜい弌秒罪滅ぼしの遺言を吐くだけか。悪者しかいない世界でただ集まってるだけなら喧嘩を売ってやる。
と、読めます。
"HA 高高三六五日 が 生 を 終え るなら
馬鹿馬鹿しいよな 「破落戸」 だったさ
鋏は正直 相変わらず 僕は 中指を 立てようか"
三六五日が生を終えるというのは一年が経つことではないでしょうか。
この破落戸について考えてみます。
後ろにある"鋏は正直"と並んでいるので、鋏は正直だがもう一つは破落戸だったと考えます。歌詞に"馬鹿と鋏なら"とあるので、破落戸だったのは馬鹿の方でしょう。
せいぜい一年が経ったくらい下らない。正直でいたいと言う人も元は悪者だったはずだ。私は相変わらず喧嘩を売るぞ。
と、読めます。1年間喧嘩を売り続けてもまだ足りないのですね。
"中指を立てようか それならば 僕は 中指を 立てようか"
(略)
感想
破落戸について考察しました。破落戸って他人の意見聞く限りでは正直者が指を立てているイメージだったんですけど、自分で考察してみると真逆になってしまいました。少し無理やりな解釈があった気もしますが、私は正直でいたいと言っている人に喧嘩を売る曲だと考察しました。
自分の中で勝手に誤字だろうと判断したんですけど、動画では、試しては"見"たい・三"五六"日、とあったのでそこがわざとだったりするのかなぁ、とひとつ。
以上です。